こうのとりの成長
兵庫県の「県鳥」であるコウノトリはかつて日本各地に棲息していました。豊岡市出石町桜尾にある「鶴山」では茶店も出るほど、コウノトリの見物客で賑わっていた時期もあったそうです。しかしその後の乱獲や巣を架ける木の伐採などにより棲息環境が悪化、また戦時中の食料不足の中で食用にされたこともあったり、農薬の散布などで1956年には20羽にまで減少してしまいました。
同年、コウノトリは国の特別天然記念物に指定されました。
1965年、豊岡市で野生最後の一つがいを捕獲し、人工飼育を開始しました。
このHP管理者が高校時代、生物の教師だった山本茂信先生がコウノトリの繁殖に尽力されていて、授業中に苦労話をされていました。
捕獲にはアメリカの軍人が来て網の両端にロケットをつけて発射し(キャノンネットと言っておられました)一度失敗した後、再度の試みで捕獲に成功した話しを聞いた記憶があります。そんなこともあり繁殖の試みには興味をもって見守っていました。
それから37年後の2002年には生育したものとあわせて飼育100羽を達成し、屋外放鳥に近づきました。
2005年9月24日には世界初の放鳥(2〜7歳の雄2羽と雌3羽の計5羽)が行われ、34年ぶりにコウノトリが豊岡の大空に羽ばたくことになりました。
その野生復帰したコウノトリが野外で繁殖し、2012年7月には放鳥三世第一号が日高町山本の人工巣塔から巣立ちました。
2017年に野外で暮らすコウノトリは100羽を超え、2020年には200羽を突破、以後わずか2年で300羽に到達し、増加ペースは急速に加速しています。
繁殖地も2021年は7府県(兵庫、島根、鳥取、京都、福井、徳島、栃木)だったのが2022年には石川、佐賀が加わり9府県に広がっています。(こうのとり郷公園発表)
ここ日高町山本から巣立ったこうのとりは2022年7月現在で23羽。死亡・行方不明が13羽。
遠いところで生活している個体が3羽。
2014年に生まれたオスは韓国の済州島で目撃された後、島根県の雲南市で生活しています。(2018年参照)
2013年に生まれた2羽のオスは2018年宮古島で目撃されています。
このホームページでは日高町山本の人工巣塔で生まれたコウノトリの成長の様子を年ごとにお伝えします。
識別番号 | 生 年 | 足 環 | 備 考 | ||
オス | J0011 | 2008年 | なし | 伊豆の人工巣塔育ち | |
メス | J0399 | 2005年 | 右:青・黒 | こうのとり郷公園育ち | 2012年〜2021年まで |
左:黒・緑・緑 | 2007年山本で放鳥 | ||||
J0024 | 2010年 | 右:黒・黒・黒 | 豊岡市日撫の電柱生まれ | 2022年〜 | |
左:黒・緑・緑 |
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